丹後の美しい海
こんにちは。株式会社あしあと代表の八隅孝治こと、やっさんと申します。
この記事では海ごみの現状について紹介したいと思います。
株式会社あしあとが事務所を構える、京丹後市は京都府の北端に位置し、
海あり、山あり、川あり、ご飯もおいしく、人がやさしい最高なまちです。
そして、なんと株式会社あしあとの事務所は海まで歩いて5分で行くことができます。
私は2019年に京都市から京丹後市に移住したのですが、移住のキッカケとなったのは海や自然が大好きで、
このような環境で家族で暮らし子どもを育てていきたいと思ったからです。
夏になると丹後の海はエメラルドグリーンになり(丹後では『丹後ブルー』と呼ばれます)、
沖縄にも全くひけをとらない美しい海を望むことができます。
夏はそんな美しい海に、少しでも時間があれば、こどもたちと何度も海に行って遊びます。
海は入っているだけで気持ちが良く、癒やされますし、子どもたちは海へ行けばテレビや、ゲームなんかがなくてもずーっと遊び続けます。
こどもたちも海で泳ぎ方や、生き物の習性、名前、さまざまなことを自分たちで学び、日に日にたくましく成長しています。
そんな私にとって、家族にとって、当然まちにとっても大切な海なのですが、
移住してから気がついたことがあります。
それが、海ごみの問題です。
海ごみの問題
日本海側に位置する丹後は、冬になると天候が不安定になり、風と波が強くなります。
風と波が強い日が数日続いたとき、海を訪れると、浜が一面ゴミで埋め尽くされていました。
なぜ、浜がこんなゴミで埋め尽くされてしまったのでしょうか?
今起こっている海ごみの現状を紹介していきたいと思います。
海ごみはどこから発生しているのか?
浜を埋め尽くしていた海ごみ。一体どのようにしてこのような状態になったのでしょうか?
実は海ごみは様々な場所から集まってきます。
海からやってきたゴミ
漁で使用される網、ロープ、ブイ(浮き)が海ごみとして漂着し(たどり着く)ます。仕掛けが波によって外れて流されたり、悲しいですが不法投棄された漁具も多いと聞きます。漁だけでなく、釣りやレジャーで海上で捨てられたゴミが海の流れに乗って浜にたどり着いてきます。そして稀にですが、注射器や薬物の入ったビンなどの医療廃棄物も漂着します。
浜で捨てられたゴミ
特に夏の海水浴シーズンには浜で捨てられるゴミや、忘れ物がゴミになるケースも多くあります。タバコやペットボトル、花火、BBQででたゴミ、壊れたテント、ゴーグルなどが落ちていることがあります。
川からやってきたゴミ
川に捨てられたもの、風に飛ばされて川に落ちたゴミ、畑の作物、河川整備などで刈った草、また大雨の時には折れた木なども流されて海に流れでていき、また波に運ばれて浜に漂着したり、他の島や国に流れていったりします。草や作物は自然のものなので、いつかは分解されるものですが、たくさん浜に漂着すると景観を損ねたり、葦(ヨシ)などの硬い繊維の植物が大量に漂着すると、はだしで踏むと痛いので、海水浴場の管理者の方は困られる場合があります。
まちからやってきたゴミ
まちに捨てられているゴミ、ペットボトルやビニール袋、タバコなどは風で飛ばされて川に入ると、川のゴミと同じく、海に流れ出てしまいます。また海の近くでは町のごみがそのまま海まで飛ばされることもあります。
このように様々な経路から出たゴミが海ごみになっています。
海ごみはどのくらい発生している?
現在、世界で発生している海ごみの量(海に流出しているゴミの量)は年間1,200万トンと言われています。
1,200万トンと言われても、数が大きすぎて、いまいちピンとこないと思いますのでわかりやすい数値にしますと、
- 1年間で1,200万トン
- 1日で32,876トン
- 1時間で1,369トン
- 1分間で22トン
- 1秒間で380kg
となります。今まで海ごみをたくさん運んできた経験から言うと、1秒間で発生している380kgの海ごみというのは、おおよそ軽トラック2杯分くらいです。そのくらいの海ごみが世界では1秒間に発生しているということなんですね。
海ごみはどんなものが多いのか?
海に行くと様々なゴミが落ちているのですが、主にどのような海ごみが多いのでしょうか?
世界規模で行われている海洋漂着物調査ICC(国際海岸クリーンアップ:International Coastal Cleanup)Ocean Conservancyの報告によると、海ごみトップ10は以下のように報告されています。
1位:タバコの吸殻
2位:ペットボトル(プラスチック製)
3位:ペットボトルキャップ(プラスチック製)
4位:食品の包装袋(プラスチック製)
5位:レジ袋、買い物袋(プラスチック製)
6位:その他の袋(プラスチック製)
7位:食品容器(プラスチック製)
8位:カップ、皿(プラスチック製)
9位:ストロー、マドラー(プラスチック製)
10位:カップ、皿(紙製)
この調査では2.5cmより大きい海ごみの数をカウントしています。重さや、質量になるとまた結果が変わってくることもあると思いますが、海にいくと感覚的にはブイや、ロープなどの漁具が目立つのですが、この調査報告のように個数ランキングで見ると、私達の日常生活で使用するプラスチック製品が多いことがわかります。
発生した海ごみはどこに行く?
発生した海ごみは、一体どこへ行っているのでしょうか?陸や、海で発生したゴミは海に流出した後、移動し、海の表面、海中、陸、そして海底にそれぞれ広がっていきます。EunomiaのPlastics in the Marine Environmentによると、発生した海ごみは
- 海の表面:1%
- 陸:5%
- 海底:94%
にあるとしています。この報告を見て、すでに発生した海ごみの94%が海底にあることに衝撃を受けました。
海ごみが海底に沈んでしまうと回収は不可能か、しようとしても莫大なお金がかかりそうです。
そして、さらに感じたことは、陸地に5%ということで、海の上よりもビーチの方がゴミがたくさん存在するということ。さらに報告では1km2あたりに存在するゴミの量が示されています。
- 海の表面:18kg/km2
- 陸:2,000kg/km2
- 海底:70kg/km2
1km2、1km×1kmの範囲を探すと、海の表面や、海底に比べると圧倒的に多くの海ゴミがビーチに集まっているということです。ゴミがたくさんあるのは、良いことではないものの、陸は、船や特別な資格や器材がなくても、多くの人を巻き込めばビーチクリーン活動等によって、ゴミを回収することができる。ということをこの報告資料から知ることができます。
外国の文字の書いた海ごみはどこから?
海ごみを見ていると、海外の言葉の書かれたゴミを見ることがあります。なぜ、海外のゴミが日本に漂着するのでしょうか?それはそれぞれの国からゴミが流出していることと、海流、そして風が影響しています。
東南アジアの各国から流出した海ごみは海流にのって日本に流れてきます。ちょうど冬になると、北西の季節風が吹く関係で、日本海沿岸部には海ごみが漂着していきます。この画像だけをみると海外のゴミが日本にたくさんきているように見えてしまいます。しかし、大切な話があります。それは日本もたくさんのゴミを出しているということ、そして日本のゴミもこの海流にのって他のまちや国に流れていっているということです。
この現状を知った上で、私たちは何をしていけば良いでしょうか?どんなアクションが必要でしょうか?
このページでは、これからも海ごみの現状について、情報を追加していきたいと思います。