海ごみの問題の未来
Effects of the Continuous Increase in Waste
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説明

海洋ゴミの問題は、丹後だけでなく、世界全体で深刻な環境課題となっています。現在、毎年約1,200万トンものゴミが世界中の海に流出しており、これは1秒あたりに換算すると約380kgにもなります。この膨大な量の海ゴミが海に流れ込むことで、さまざまな問題が発生しています。そして、この問題は今後さらに深刻化すると予想されています。

海ゴミは今後も増え続け、2050年には現在の3倍から4倍の量の海洋ゴミが発生すると言われ、海中に存在するゴミの量が魚の量とほぼ同じになるという予測もあります。

さらに問題はあります。海ゴミは今後増え続けると言われているのですが、地方では、人口減少と高齢化が進行しており、海ゴミを回収する力が年々減少していることを実感しています。私たちが定期的に実施しているビーチクリーンイベントの他にも、地域の住民や観光協会の方々が継続的にビーチクリーン活動を行ってくださっていますが、近年ではその参加人数が減少しています。大型のゴミを処理するために重機を使用していた地域では、重機を扱える方が亡くなり、処理できなくなるという問題も発生しています。このような状況が続けば、ゴミの量は増え続ける一方で、それを処理する力は低下し、海ゴミがどんどん蓄積していく未来が予想されます。

では、今後海ゴミが増え続けると、どのようなことが起こるのでしょうか?

まず、海やビーチに残った大量のゴミが、生き物に深刻な影響を与えることが考えられます。ゴミに絡まる動物や、海ゴミを誤って食べてしまい、命を落とす生き物も増加するでしょう。また、海ゴミが放置されると、時間とともに劣化し、小さな破片となってマイクロプラスチックに分解されます。このマイクロプラスチックは魚に取り込まれ、その魚を人間が食べることで、私たち自身にも健康被害が及ぶ可能性があります。

さらには、海洋ゴミが漁業にも深刻な影響を与える未来が予測されています。2050年には、海ゴミの量と海の生き物の量が同等になると言われています。もしこの予測が現実となれば、漁師が魚を網で捕る際に、魚と一緒に大量のゴミが引っかかり、ゴミを選別したり処分したりする手間が大幅に増加するでしょう。さらに、海ゴミが魚を傷つけてしまい、市場に出せない魚が増える恐れもあります。

観光業への影響も深刻です。私たちが住む京丹後市は「海の京都」としてブランディングし、特に冬の温泉と蟹のシーズンには多くの観光客が訪れます。しかし、冬はゴミが最も多く海岸に打ち上げられる季節でもあり、訪れる観光客がその光景を目にすれば、ショックを受けることでしょう。現在も観光協会の方々が日々努力してビーチクリーンを行ってくださっているものの、強風や荒波で翌日には元通りになってしまうこともしばしばあります。その結果、観光客から宿泊施設にクレームが入ることもあるそうです。

このように、今後海洋ゴミが増え続けると、私たちの海や生活に深刻な影響を及ぼすことは避けられません。海ゴミの未来を変えるために、私たちには何ができるでしょうか?