こんにちは。株式会社あしあと代表の八隅孝治こと、やっさんと申します。
この記事では海ごみと埋立処分の問題について紹介したいと思います。
海ごみに対するアクションとしてビーチクリーン活動があります。
ビーチクリーンはビーチ(浜、海岸)に落ちている海ごみを拾う活動です。現在、株式会社あしあとではMOYAKOという誰でも楽しく参加できるビーチクリーンを月2回企画運営したり、一般の方から、学校、企業まで参加できるビーチクリーン体験や研修なども受入れており、年間で100回ほど、人数にすると年間1,500〜2,000人の方とビーチクリーンで関わります。ビーチクリーンは大切な環境活動で、私自身も大好きな活動なのですが、まだまだ問題もあります。
回収したゴミのゆくへ
ビーチクリーン活動を通じて集めた海洋ゴミが、実際にどこへ運ばれているかをご存じですか?多くの人が、海をきれいにするためにゴミを集めることが素晴らしいと感じる一方で、そのゴミがどこに行くのかについてはあまり知られていません。
私たちが回収した海ゴミは、最終処分場のある山(京丹後市網野町の場合)に運びます。
最終処分場は、通常は空き地や山間部に作られます。私が住む京丹後市の網野町の場合、最終処分場は山の中にあります。ビーチクリーンで海をきれいにしても山が再びゴミで埋め尽くされるというのが、事実なんです。
現状は、海のゴミを山に移動しているということになります。
そもそも、なぜ海ごみは最終処分場へ持っていくのか?京丹後市には焼却処分場があるのですが、なぜ海ごみを燃やさず埋め立てるのか、聞いてみました。すると、海洋ゴミには塩分が含まれているため、焼却処分場で燃やすと焼却炉が損傷したり、寿命を縮めてしまうリスクがあるようです。このため、多くの沿岸地域では、海洋ゴミを燃やさずに埋め立てによって処分しています。
ただ、さらにいろいろ尋ねてみると問題が判明しました。現在、京丹後市の場合、山へ運んだ海ゴミは仮置きとなっており、実はその後、すべての海ごみは三重県まで陸送で運ばれます。なぜ三重県まで運ばれるのかというと、そこにはまだ埋め立てのためのスペースが残っているからです。しかし、このような対応も、決して持続可能な方法だとは思えません。
回収した海ごみは三重県にすべて搬送しているものの、最近、網野町の最終処分場が満杯になってしまいました。なぜ処分場が満杯になったかというと、それは私たち一般市民が出す不燃ゴミ、特に持ち込みゴミと呼ばれるゴミや、焼却場で燃やした後に出る焼却灰が蓄積していき、処分場が満杯になりました。最終処分場が一杯になると、新たな処分場を作る必要がありますが、現在網野町では元最終処分場の山のさらに上に処分場を作っていますが、それにはまた山を切り開いたり、空き地を作らなければなりません。また、この新たな処分場の建設には60億円から80億円もの税金がかかると言われています。
新しい処分場は大体15年から20年ほどで満杯になります。その度に、膨大な税金を使い、未来の世代が利用するかもしれない自然を切り開いて処分場を作り続けるという、悪循環に陥っているのです。また現在は、三重県に搬送している海ごみも、三重県が受入を停止すれば、今後京丹後市はさらに早いペースで処分場が埋まっていくことになります。このような状況が繰り返されている中で、海ごみの新たな処分方法を考えたり、海ごみ以外の現在埋め立てられるゴミの処分方法や、埋立に至ってしまう前に何かできるアクションはないのかを考え、実行していく必要があります。
皆さんは、この最終処分場の問題について、どうすれば未来を変えられると思いますか?